たとえばなし

偶像と結果論

簡単なことさ 「ABC」からやり直そう

さて。
一個前の記事にもあるように去る2017年6月17日、THE IDOLM@STER SideM GREETING TOUR 2017 〜BEYOND THE DREAM〜 石川公演に行ってきました。

今回もセカライに続きおともだちが一緒に行こうと誘ってくれたけれど、正直なところ本当に行くかどうするかギリギリまで悩んでました。

もうオタクをやめるかやめないか、数ヶ月ずっとぼんやりしていた私が多少の無理をしてでも石川に行ったことにはきっと意味があったと思うので、そんなこんなの覚書です。

 

 

オタクとしての心がバキバキに折れた、3月の某イベント。

推しさんのこのイベントでの振る舞いがどうしても受け入れられなくて、本当にもう、ただひたすら辛かった。詳しく……はないけどその時の記事がこちら。

x1026.hatenablog.com

丁度この頃はSNSで否定的な意見を見る機会も多くて、12月のイベントでの振る舞いももやもやするところがあって、その後にでた某CDでもキャラの声に違和感があったりして、私自身が疲弊してたのも事実で。

でもあの日、本当に全部わからなくなって、それまでのことも、それからのことも全部迷子になったんだよね。

そこからしばらくは本当に声優界隈から距離を置いていて、音源も聞いていなかったし、春アニメも見れるときに見たいものだけをぼんやり見ている状態で。行こうと思っていた4月のイベントは白紙に戻したし、主演だしさすがに行こうと思っていた5月のLIVEも蹴った。

そんな私に「石川は行こうよ、Beitだよ」って誘い続けてくれたおともだちはたぶん菩薩なんだと思う。別のおともだちも降りる降りないも石川行ってから決めるのでも遅くないんじゃない、って言ってくれて、あの本当に……幼稚園児か?私が。

そんな友人たちの後押しもあって、石川の参加を本格的に決めて。本当に少しずつiPodに入ってる曲を聴くようになったのがたぶん5月半ば。そして日にちが迫ってきてさすがに行き帰りの足を取らないと、って新幹線とバスの予約をしたのが6月頭。

当日の朝10時。金沢に着いた瞬間の私、ちょっと意味がわからなくて変な笑いが漏れる不審者。 物販を終えてお茶をして(金澤コーヒー最高に美味しかった)、会場に戻った私が発した言葉は「あ、無理 吐きそう」

いやだって伝わってほしいんだけど、三ヶ月ぶりの現場がMマスってヘビーじゃない?

今までどんなに現場の間が空いても一ヶ月とかだったし……例えるならそう、ずっとお粥を週に1、2回しかも2、3口だけ食べるような生活をしてきたところに、いきなりデミグラスソースのハンバーグを差し出されるみたいな所業。せめて和風おろしにして。

 

それだっていうのに、ライブパート開始10分もしないで泣き崩れるの、意味がわからないんだよなあ。

なんかもう、なんだろうね。ステージの上で ♪ Beyond The Dream を歌っているうめはらさんから目を離すことなんて出来なくて、一瞬でも目を離したくなかった。

私が歌って踊る推しさんを見て思い出すのは、やっぱり2015年2月7日。一番最初のミニライブ。
お世辞にも広いとは言えないステージで少し俯いて、目線も不安定で、歌いながら踊るのが本当に辛そうで、踊ってる間にどんどんマイクが口元から遠のいていっていた時のことをどうしても思い出してしまう。

だけど今じゃ、あの時のことのほうが嘘みたいで、その現実を目の当たりにする度に、この人はなんて人なんだろうって飽きずに思う。ああなるまでに、どれだけの葛藤があったんだろう。今の時代のある意味歪んでしまった"声優"っていう仕事を全うしてくれることが、申し訳なくてありがたい。

アイマスの名を冠した舞台の上で、前を見据えて誰よりも真っ直ぐに力強い声で歌う姿は、本当に格好良かった

しかもライブというかイベントの進行役をやるとは思ってなかったから、いつものMCより少し高めの声で、キャストを、会場を引っ張っていこうとするみたいな話し方で話すうめはらさんを見たらもう駄目だった。

間違いなくあの瞬間、私の目の前はきらきら輝いていて、「ああ、これを見るためにここまで来たんだ」ってすとんっと結論が落ちて来たんだよね。

ぎゅぅって心臓が痛くなって、涙がでた。
たぶん私がずっと見たかった推しさんが、そこにいたから。  
 

Dreaming night 踊りましょう
Baby, baby ここにおいで
最高の瞬間へとエスコート
準備は All right?

ースマイル・エンゲージ/Beit


石川でね、ここを聞いた時になんだかすごくしっくり来た。

うめはらさんを好きになって、応援するようになってからずっと感じてたことがあって。

それはオタクに出来ることなんて何1つなくて、この人は自分一人の力でどんどん前に進んでいくんだなっていうこと。

いちばん強くそれを感じたのは、声優アワードの新人賞を取ったときだったかなあ。

今までの私はオタクとしてのスタンスは"押し上げる"っていうことに重きを置いていたから、置いてけぼりというか、なんだろう、すごく身勝手で傲慢なことを言うけど、彼がやってきたことに対して自分が出来ることは何もないし、何もしてきてないなって漠然と思ったんだよね。

それはよく考えれば当たり前のことではあるんだけど、なんていうのかなあ……。アイドルとかってやっぱり"ファンと一緒に歩いてきた"みたいな様式美があるから、それが必要ない人なんだなあって。

だからなんかここの歌詞を聞いたときに、私が"ここ"に連れてきてもらったのかもしれないって思ったんだよね。別に今までの推しに対して自分がどこかに連れていったって思ったことはないけど、連れて行くんだって思っていたことはあったから。

でも、うめはらさんはいつだって想像の先を行く人だから、今までも色んな景色を見せてもらって、あの日のあの瞬間--"最高の瞬間"に連れてきてもらったのかなって。

なんかそう思ったら、少しだけ楽になった。別に頑張らなくていいのかもしれないとも思った。消費者なんだから、受け身でいいんだって思ったんだよね。


うめはらさんの声とお芝居、お仕事に対して真摯なところがすきで、応援してた。

ここ一年くらいの私は、応援っていう言葉を胸を張って使うことは出来ないけど、今はそれでもいいやって。一瞬でもすきだなって思えたら、それでいいやって思う。

私が彼をすきでいることは、うめはらさんの声優としての人生になんの得にもならないし、何も生み出しはしないけど、きっと邪魔もしない。今は、それでいいや。

いつもすきなものをうまくすきでいられなくて、大事にできなくて、そんな自分に疲れて諦めてしまう。でもグリツアの舞台で歌って踊るうめはらさんを見て、この人を諦めなくてよかったって思えたから、それが全ての答えだよなあ。

ただ、3月のイベントで湧いた感情も本物で、全部が全部ひっくるめてすきとは今はまだ言えないから、イベントも追うお仕事も少し選ぼうかなとは思ってます。

うめはらさんをすきな自分を守ってあげるために必要なことを、丁寧に選んでいきたい。

結局私は綺麗な推しが好きで、誰にも文句を言わせない推しがすきなんだと思う。
圧倒的な力を持ってオタクも、それ以外の第三者も黙らせてくれる推しがいい。

他人にも、自分でも、なんでこの人がすきなの?って思われたくないから。他人にすきな人を安易に揶揄されることが本当に嫌いだから、自分でもそんな風に辟易したくないっていう気持ちが強いのかもしれない。まあそれが神格化や美化に繋がって、それにまた疲れちゃうんだけど。

溢れ出るほどの好き!っていう熱量もない、推せて幸せ!みたいなオタク特有の身勝手な充足感も今はない。お気に入りのぬいぐるみを宝箱から取り出して見せびらかすみたいな、そういうオタクの仕方はもう向いてないのかもしれない。

でもきっと、嫌いになりたいわけじゃない。すきでいたいんだと思うから。すきだなって思える瞬間を大切にして、それを増やしていくことができたら、また何か変わるかもしれない。

そう思えただけでも本当に石川まで行った甲斐があったんじゃないかな、と……思うんですけど……情緒が不安定なオタク故本当に何かをすきでいるのが死ぬほど下手くそで困る。


とりあえず、すきでいられるためにできることを少しずつやっていこう。

カブキブ!の幕間も奇跡的に行けるし、S.Q.P.はコンテンツとして大好きだから楽しみ。星の王子様の朗読劇も、お休みが被れば行きたいな。

声と、お芝居がすき。だから、うめはらさんのことが好きだと思う。

そんなシンプルなことを、今は大切に握りしめておこう。

加賀百万石の話

THE IDOLM@STER SideM GREETING TOUR 2017 〜BEYOND THE DREAM〜 石川公演に行ってきました。

THE IDOLM@STER SideM GREETING TOUR 2017 〜BEYOND THE DREAM〜

 

前日22時まで仕事をし、当日東京駅7時発の新幹線で金沢へ。
夜は23時前に夜行バスに乗り、翌日朝6時に新宿に到着。
一旦自宅に戻り、着替えてそのまま元気に夜の21時まで働きました。もう無理です。

仕事の都合上連休を取るのが難しいので、基本的に遠征をしても行ったらすぐイベント!終わったら新幹線に飛び乗って直帰!っていうタイプなんだけど、今回は金澤コーヒーも飲めたし、夜にはのど黒のお寿司もいただいたし珍しく遠征らしい遠征だった気がする。

物販もお目当てだったラババンは無事に買えたのでよかったです。
石川公演のはお色がピンク・パープル・ブルーのマーブルでとてもかわいい……実物が写真よりもはるかにかわいくてテンション上がった。ペンラ用バッグに即つけました。かわいい。

そんなこんなで前置きが長くなりましたが、以下グリツアの感想です。



もう散々既出だと思うけど、今回のグリツアはライブパートとトークパートに分かれていて、ライブパートはビヨドリ→挨拶→リーディング→グループ曲→リーディング→ソロ曲メドレー→グループ曲→リーディング→ドアラっていう構成。 


推しさん関連からいくと、♪ Fun!Fun!Festa! はセカライの時と比べて更にきちんと振りが入ってる印象でした。セカライの記憶は未だに欠落してるけど。
FFFは本当に一曲通して飛んで跳ねてってするから体力の消耗が半端なさそう……今回もカエールが一緒でとてもよい。
なんていうか欲目もあるとは思うんだけど、Beitの三人で歌うと一人だけ歌声が太くてガツーン!と音が飛んでくるんだよね、うめはらさんの声。それに毎回ビビる。

それから今回は歌うかなあ、どうかなあと思っていた ♪ Flying Hawk
全体的に少し音が上ずっていて歌いにくそうだったけど、節々で見えた力強い伸びはマジきゅんからの手土産かな。
この曲に関してはお歌の精度(っていう言い方はあまり好きではないけれど)は、セカライのほうが上だったかも。自分でも納得いってなさそうに見えたのは私のフィルターかもしれない。

そしてもうお馴染みの曲となった、 ♪ スマイル・エンゲージ
何度聞いてもこの曲の前にオタクは無力だよね!でも今まででいちばん冷静に聞けたし、初めてちゃんとペンラを振ることができたのでめちゃくちゃ進歩です。
今回スマエンを聞いているときに色々と思うことがあったのだけど、それはまあ別記事で。

個人的にはかのんちゃんのソロ曲がかわいくてかわいくて……

ていうかセカライでも思ったけどもふえんは本当にかわいい。
あと今回で気づいたんだけど、あのキャストのお三方って身長もほぼ変わらないんですね……三人で後ろ向いたときの絵面がかわいい。とてもかわいい。心がぴょんぴょんする。

そうそうこれもセカライでは気づかなかったんだけど、橘志狼役 古畑恵介さん。
彼のことはツキクラ。でも見ていたので前から知ってはいたのだけど、セカライの時に直談判してセンターで踊らせてもらったという ♪ うぇるかむ・はぴきらパーク!の1サビ終わり。
このパートになった瞬間、スッと表情が変わってすごく真面目というか、ストイックな表情になっていて!?ってなりました。
Mマスに出れてうれしい!っていうのをいつでも前面に出してくる印象があるのだけど、なんていうかハングリー精神みたいなものが本当に強いんだろうな。それって板の上に立つ人間にとって、ある意味一番大事なものかもしれない。そういうところが彼の強みなんだろうなあ。

あと今回一番えげつな!!と思ったのは、猫柳キリオ役の山下大輝さん。
この人が器用で多芸なのは知っていたけど、正直ここまでとは思わなかった。

もうすっごいの。日本舞踊のような動きを取り入れた振りにはきちんと撓があるし、扇を使った振りでは扇の面がしゃんと正面を向いてるし。
何よりね、♪ 喝彩!〜花鳥風月〜 のサビ。
「彩!彩!彩!の感動〜♪」のところで右に三歩進んでからジャンプで元の位置に戻る振りがあるんだけど、そこでね、チラッと自分のいた位置を確認してピンポイントでそこに跳んでくるんだよ……

それに気づいた瞬間意味わかんなすぎて鳥肌立った。あの人のポテンシャルやばい。
キリオでしかなかった。やばい。


リーディングは正直鷹城フューチャーしすぎなんじゃないかな……と勝手にヒヤヒヤしてしまったんだけど、Mマスのライブ中はキャストを封印してキャラクターとしての姿で見せてくれるところは良心であり、魅力の1つだなあと思う。

キャラとキャストが一心同体というより二人三脚で在る感じが、私は好きです。
だからこそ、ライブ中に演者の名前で呼ぼうがキャラクターの名前で呼ぼうが荒れないんだろうなあ。

天ヶ瀬 冬馬役の寺島拓篤さんもファスライの時に言っていたけれど、ステージに立っているのは声優という、声で演じる人たちで。
キャラクター本人ではない、でも、私たちファンとキャラクターを繋げてくれる唯一の人でもあるんだよね。

キャラクターとイコールじゃない。でも、ノットイコールでもない。

そのニアリーイコールはきっと、キャラクターのすぐ隣に立つ謂わば兄弟みたいな距離感なのかもしれないなあ。 
 

さて、話をグリツア感想に戻して。
トークパートはそれまでのキャラクターメインの雰囲気とは打って変わって、キャスト陣としてのトークに。

替え歌を作ろうのコーナーでのことが話題になっていますが、あの時キャスト陣がみんな黙って考え込んでフリップに書き込んでて放送事故よろしく沈黙になっちゃいそうだったんだよね。
そんな中可能な限り沈黙にしないようにトークをつなげようとしたり、口元にマイクを置いたままサッと答えを書き込んでいく推しさんの姿は"正解"なんだろうなと思った。私はね。そら考える時間もないよねって。
まあ推しの贔屓目だし、別にあの立ち位置じゃなくてもあの解答だったのかもしれないなあとは思うけど!

ああいう一部分だけを切り取られたものを悪意を持って広めたりするのってなんだかな。ツイートするなってことじゃないです。どちらかというとRTするときの感情の話。まあそれは今はいいや。

 

そして最後はもう一回ビヨドリを歌って〆だったわけなんですけど……

まさか推しの「アイマスですよ」コールが聞けるなんて誰が予想したの??

いや、そこまで気も回ってなかったし他公演のレポも読んでなかったからなんだけど。
ふぁっ?!ってしてしんだ。
一瞬でも推しがアイマスのセンターを張るの最高じゃない……?って複数人にLINEテロをしましたすみませんでした。

いやでも本当になんだろう、すごい……アイマスのセンターを張る推しすごい……
意味わかんない……すごい……あれを見れただけでも本当に行ってよかったです……ありがとう石川……


 

Mマスのリアルイベに行くといつも思うけど、えむますってすごい。(語彙)

なんというか、不思議な引力を持ったコンテンツだなあと思います。
それはオタクにとってはもちろんなんだけど、演者や運営さんにとってもそうなんだろうな、と思わせてくれるくらい、いつもステージはきらきらしてる気がする。

キャラがいて、キャストのパフォーマンスがあって、初めて完成する半リアルコンテンツのような。

個人的に音ゲーもすごく楽しみ。
ここまで書いておいてなんだけど、動く伊勢谷四季を見たら本格的に四季Pになる気がしています。

とりあえずセカライの円盤予約しよう~~

 

後悔した話

去る、2017年2月12日。THE IDOLM@STER SideM 2nd STAGE ~ORIGIN@L STARS~ Brilliant sideに行ってきました。

ライビュ参加組や現地参加組と話したり、色んなレポを読んだりして推しさんに関する記憶の蘇生を図ったんだけど、一向に回復の兆しが見られないのでもう諦めて記事を書こうと思います。記憶は完全に欠落した。

ちなみに推しさんに一切触れていない、語彙を失くしたオタクのセカライ感想はこちら。

x1026.hatenablog.com

ていうか、いつも思うけどなんで推しに関する記憶ってこんなにも簡単に欠落するの?ポンコツか?いや大概ポンコツなんですけど。

どのセカライ記事読んでも「どの角度から見ても王子」「コマネチ」「たかぴ泣かせた」「コマネチ」しか出てこないし、なんなら八代拓と小林咲の話題で持ち切りだし・・・そうだよねわかる!!

でもきっといま考えていることとか、感じたことは今この瞬間だけのものなので、とりあえず備忘録。

 

私の中でセカライ前に唯一確信のあったことは、
セカライに行けばオタクをサボっていた半年を後悔するということだけでした。

私は、うめはらさんの声が好きで、演技がすきです。

それはこの半年間も変わらなかった事実で、自分自身にキャラクターを降ろすことはないけれど、ほんのすこしキャラクターとの共通項を滲ませるところが好きだと思う。
弦楽器のような音を響かせて歌う声が好きだし、ダンスは苦手だと零しながらも、ステージでは凛としている気高さみたいなものが好きです。

鷹城恭二という人間と、彼は少しだけ似てるなってたまに思う。
何食わぬ顔で佇む花のような厳かさ、そこに秘められた静かな熱量が赤く透ける瞬間。
そういう、性格とか外見とかっていう分かりやすいアイコンじゃなくて、なんというか形容しがたい、ステージ上での存在感が似てる気がする。

昨年12月2日にリリースされた、THE IDOLM@STER SideM ORIGIN@L PIECES #02
そこに収録されている、鷹城恭二初めてのソロ曲である ♪ Flying Hawk を初めて盤面で聞いたときも同じことを思ったけど、うめはらさんが歌ってきた今までの楽曲の中でも、少しキーが高いことが意外でした。

Flying Hawk

Flying Hawk

一瞬、この曲を生で歌えるのかな、と思った。
でもその次の瞬間に、いや、あの人は歌うんだろうなとも思ったんだよね。

さっき上げた私の彼を好きだと思うところは、割と美化した見解だけを拾い上げたものであって、相手も人間だし、正直それはどうなの、と思ってしまうことがない訳じゃない。でもまぁそんなのは消費者がとやかく言うものでもないから、わざわざ特筆することでもないと思ってる。

ただそうやって、あの人は歌うんだろうなと思えるだけのパフォーマンスを見せてもらってきたと思うし、オタク特有の身勝手な信頼もしてる。
そんな身勝手な信頼みたいなものこそが、きっと私がオタクをしている理由だし、半年間サボり続けても上がらない理由の一つな気もした。

 

で。実際にセカライに行って見て、結論から言えばやっぱり後悔した

演者がステージにぶつけたであろう熱量とか、そこまで積み重ねて来たものから発せられるものを全く同じ温度で受け取ることは、オタクには出来ない。
けれど板の上のものは結果が全てとはいえ、それまでの仕事や日々の積み重ねから生まれるものだと思うから、私がサボっていた間もきちんと彼を追い続けてきた人たちと私が受け取る熱は、同じものを同じ瞬間に見ていたとしても全く違うものだと思う。
自分が費やした時間だけが自分に答えてくれるし、出来るだけ近い温度で物事を受け取るためには、そういう時間が何よりも雄弁だ。

だから本当に薄っぺらい感想しか出て来なくて申し訳なさがすごい。

                                                                  ★

まず一曲目の ♪ Beyond The Dream で新衣装で出て来た推しさんを見たとき、本当に久しぶりに「あ、王子様だ・・・?」と思った。
別に彼に王子像を見ている訳ではないし、世界で一番イケメンだと思っている訳でもない。それでもあの瞬間、確かに王子様だなあと思った。ていうかBeit全員王子様だったよね。頭の悪い感想。

二曲目でいきなりぶちこまれた ♪ スマイル・エンゲージ では、ファスライの時よりも振りに余裕が出て、背筋が伸びていることに目を惹かれました。
2サビ後のCメロの「きっと…きっとどこまでも」のロングトーンでは、思わず一回座り込んだりもした。(ただ後の ♪Fun!Fun!Festa! の幕張ーーーー!!でさっきより伸びてるじゃん!?とはなった。喉開いたんだね)
まあ無力なオタクはイントロが流れてモニターにお城が映った瞬間もはやパニックだったし、嘘でしょ嘘でしょ嘘でしょってひたすら言ってたし、ペンラのボタンが見つけられないしで散々だった。的確に殺された。

ソロメドレーでの♪ Flying Hawk は、出だしの歌詞が飛んで笑っていたのを珍しいなと思った。私の覚えている限りでは、歌詞を間違えても振りが少し飛んでも何食わぬ顔をしていることの方が多かったから。
でもやっぱりファルセットを使うでも無理に声を張り上げるでもなく、グッと声を張って歌っていたから、本当にすごい人だなあって。

エウレカダイアリー では、今回はリハに参加したみたいな写真もツイートも一切上がってこなかったのに、こんな振り入れいつしたんだろうと思った。
ファスライ後の座談会で話していたみたいにまた家で一人練習したのかな、って考えたりもしたし、本人も最後の挨拶で話していた通り、Beitの他の二人のサポートがあってこそなんだろうなとも思った。
あと当日ライビュ入ってた先輩とのLINEで私が言ってたんだけど、「届いてるかい?」が個人的にやばかったらしい。記憶にない。

♪ Fun!Fun!Festa! は後半ゼロ位置だったけど、もはや記憶が本当にない。
コマネチした瞬間だけ全世界の鷹城Pに大丈夫!?これ大丈夫ですか!?って100回くらい事務所OK通るかを気にしたくらい。あと幕張ーーーー!の肺活量。カエールかわいい。

♪ 想いはETERNITY は最後にこの曲だけが残されている事実に絶望してたし、演出がずる過ぎてめっちゃ泣いた。推しさんのことほぼ見てなかった。限界メーター振り切ってたんだと思う。

MCで自分のカメラアピールの話を振られたときに、「あ、ちゃんと映ってた?よかった」ってイジられる前に流すところとか、その割に「ありがとーーーーーーーう↑」ってやっちゃうとことかは、なんていうか揺るぎなくうめはらさんそのものだったな。
最後の挨拶でたかぴが泣いちゃってからずっとケラケラ笑ってたときには、ちょっと男子ぃ!たかこちゃん泣いちゃったじゃん!謝んなさいよ!!みたいなマインドだったけど。

                                                                 ★

始まってから終わるまでほぼほぼ泣いてはいたけれど(推しのターンになると地蔵キメるのガチ恋みが強いからやめたい)、ファスライの時よりも冷静な自分がいることにも気付いてた。
もっとちゃんと追いかけていれば、もっときちんと正しい温度で受け取れたのかなあ。
ただただ、今までで一番踊れてるなあ……ってぼんやりしたし、本当に歌うまくなったなあと思ったし、何よりも、まだしばらくこの人のオタクなんだろうなあって、漠然と思った。

でもなんていうか、セカライ前日にソロコーナーがあるって聞いてから不整脈を催し、布団に入ってからも脚の指先から血の気が引いていた時点でそんなのはお察しだったんだけど。

本当にクソオタクだなと思いながら、GREETING TOURの石川もとりあえず申し込みました。
なんとなく、推しさんもsideMっていうコンテンツも、オタノシミはこれからなんだろうなあと思うので。

 

何かを好きでいるときの熱量の色は、どんどん変化していくと私は思っていて。

好きになったばかりの淡い期待の滲む色が黄色、好きが強くなって一番の熱を注げる時の色が分かりやすく赤なら、たぶん今の私の色はBeitのユニットカラーみたいな青なんだと思う。

無理にそれを赤くしようとしても疲れちゃうだけだから、とりあえず後悔する瞬間を少なくするために、ちょっとずつ色々消化できたらいいなあ。