もう一度、恋ができなくても夢を見よう~うたの☆プリンスさまっ♪ SHINING STAR STAGEに寄せて
夢に会える場所。それがここだとぼんやり考える。
おもちゃみたいなステージの上で踊る彼らは、まぎれもなくアイドルだった。
というわけで、友人に誘われうたプリSSSこと、うたの☆プリンスさまっ♪ SHINING STAR STAGE -LOVE in DREAM-に行ってきました。
少なからずうたプリを通り、二次元アイドルに傾倒するオタクとして色々と感じることがあったので、つらつらそんなことを書いていこうと思います。
うたプリと私
私とうたプリの出会いは2011年。一世を風靡した伝説のアニメ第1期「うたの☆プリンスさまっ♪ マジLOVE1000%」の放送でした。
アニメ放送時、一番最初に気になったのはHAYATOというアイドル。見た目も声もドストライクで、この人がいい!と思ったのもつかの間、メインキャラクターである一ノ瀬トキヤくんと同一人物だと明かされショックを受け過ぎた結果、翔ちゃんかわいいbotと化します。そして第1期の放送終了後、ちょうど発売されていた「うたの☆プリンスさまっ♪Repeat」をプレイしました。
いざゲームをプレイしてみて気になったのは、やっぱりナンバーワンアイドルHAYATO様。アニメではさんざんお笑いアイドルだのなんだのと言われていたけれど、プロ意識が高くて、いつでも笑顔で、やわらかく喋るハヤトくんが一気に大好きになりました。翔ちゃんルートのおはやっほーニュースロケのHAYATO様は超絶プロ意識激高アイドルなのでまじで見てください。
当時の私は何を思ったのかそのまま拗らせて「ハヤトくんはトキヤくんのお兄ちゃんだもんね!別人だもんね!(血眼)」と宣う厄介オタクになっていきます。
これは本当に何度でも言っていきたいんですけど、♪ 七色のコンパス はHAYATO様の曲です。
ハヤトくんのグッズが一つでもあれば物販にも行ったし、そこで友人もできました。ないなら作ればいいんだ~!とグッズを魔改造したことも。森光恵さん描き下ろしのHAYATO様が投下されたいつかのクリスマス、江の島の駅で泣いたことを今でも覚えています。不審者待ったなし。くまプリの再販はめちゃくちゃF5連打したし、アニメ2期でトキヤくんがHAYATOと和解・訣別を果たす回(語弊)では寝込んだりもしました。オタクは本当にすぐ寝込むな。個人的に一ノ瀬トキヤくんの♪ CRYSTAL TIME とNEWSさんの♪ 真冬のナガレボシ は一ノ瀬兄弟のテーマソングです。
そんなこんなで「うたの☆プリンスさまっ♪All Star」や「うたの☆プリンスさまっ♪All Star After Secret」までゆるゆるとプレイしつつ、公式からHAYATOという存在が薄れていくにつれ、私とうたプリとの距離も離れていきました。
それでも元々のアイドル好きも高じてアニメは第3期である「うたの☆プリンスさまっ♪ マジLOVEレボリューションズ」まではしっかり見ていたし、 劇場版の「劇場版 うたの☆プリンスさまっ♪ マジLOVEキングダム」も楽しく見に行きました。超たのしかったな。
うたプリと二次元アイドル
「うたの☆プリンスさまっ♪」というコンテンツは、まぎれもなく男性二次元アイドルの走りだと思います。
乙女ゲームと二次元アイドルという二つの要素をうまく掛け合わせた原作ゲームと、アイドルたちの成長や楽曲にフォーカスしたアニメシリーズ。
今でこそ全次元アイドル飽和時代、アニメイトには大きく各種アイドルたちのコーナーが展開されているけれど、その中の二次元アイドルたちの大半がうたプリというコンテンツがなければ跳ねていない、生まれていないと言っても過言ではないのではないでしょうか。つまるところうたプリはセーラームーンなんだな。
なんだかんだいって私と同世代のオタクたちは一度はうたプリを通りました、という人が多い気がしています。ある意味テニプリと張るなあとすら思う。
このうたプリというコンテンツのすごいところは、いつでも"彼ら"が実在しているように思わせる力。そう信じ込ませてくれる力が、努力が、何年もファンの心を掴んで離さない理由の一つなのではないでしょうか。
うたの☆プリンスさまっ♪ SHINING STAR STAGE 雑感
Introduction
そうですやっと本題です。
今回の3Dライブはシャイニング事務所主催ということで、ST☆RISHとQUARTET NIGHTが出演。ライジング事務所さんは別仕事なんでしょうね。生粋の嶺二担である友人がとってくれたチケットがペンライト&パンフレット付のSS席だったため、入り口でその二つを受け取りいざ会場内へ。ちなみに今回の会場は、有明にある東京ガーデンシアター。奇しくも10月にA.B.C-Zさんがコンサートをする会場だったため、下見も兼ねて会場内をきょろきょろ見渡してしまいました。
ステージはシンプルな作りで、ジャニーズのコンサートと比べてしまえばおもちゃのようなステージ。真ん中に大きなモニターが1枚と、それを囲むように唐草柄のような装飾と星を模したオブジェを冠した柱が左右に2本ずつ。ここ数日の色んなこともあり、始まる前までは会場内の空気もどこか浮ついていて、やや異様な空気が漂っていました。
でもいざライブが始まれば、そこにいるのはアイドルとそのファンたち。ただ、それだけでした。
出会った時と変わらず、元気で、キラキラで、人生を毎日を彩る歌を歌ってくれるST☆RISH。いつだってカッコよくて、ST☆RISHの先を行くようにクールに、でも熱いステージを届けてくれるQUARTET NIGHT。私の大好きだったうたのプリンスさまたちが、そこにいました。
要所要所にアイドルたち個人のエピソードを思わせる演出もあり、うっかり泣きそうになることも。プリンスさま達と過ごした日々が、まるで古いアルバムをめくるように次から次へと思い出されました。そして色んなことを思い出すたび、長い時間このアイドルたちはアイドルで居続けてくれたんだな、とも。
今回特にセトリの前情報などを入れずに見に行ったのですが、意外にも懐かしい曲が中心。置いてけぼりになることもなく素直に楽しむことができました。
今まで自ジャンルやあんさんぶるスターズ!の3Dライブも見てきましたが、今回特に気になったのが影の表現。アイドルたちの陰影はもちろん、ふとした瞬間ステージに映る影が、本当に照明にあたってできた影のようでしばしば混乱してしまいました。終わった後友人と開口一番に「影やばくない?」と盛り上がった程度には興奮しました。目の付け所がシャープでしょ。
ソロ曲でゴリッゴリに踊るトキヤくんは本当に解釈の一致だったし(HAYATOくんにおける仲直りはしてないけど)、どこからともなく出てくる嶺二くんのマラカスには思わず笑ってしまったし、ステージを端から端まで走りまわったり色んなメンバーに可愛がられている翔ちゃんは本当にかわいくて。マジェスティックステッキを振り回すカミュ様は既視感があって愉快だったし、藍ちゃんの会場中に響き渡る歌声は本当に空から降り注ぐ光みたいだった。
那月くんの普段の雰囲気からは想像できないような力強い歌声には圧倒されたし、レンくんの華やかなステージパフォーマンスも、真斗くんの静かな情熱を感じる歌声もあの頃感じたものと同じで。パフォーマンスは優雅に、でもMCではおちゃめに笑うセシルちゃんもめちゃくちゃかわいかったし、蘭丸さんのロックなステージは誰にも文句を言わせないくらい本当に、本当にかっこよかった。
そしてなにより音也くんのアイドル性と、全力で今を楽しむパフォーマンスがキラキラして、まぶしくて。
ああこの11人のアイドルたちが私の人生に、あの頃の毎日に、色を添えていてくれたなとじんわり思い出すことができました。
3Dライブは夢に会える場所
11年という長い歴史を歩んできた「うたの☆プリンスさまっ♪」。先駆けだったからこそ、ここ数年は正直時代遅れと言われることも増えました。
次から次へと出てくるアイドルタイトルたちは時代に合わせてアップデートを重ねているけれど、ずっとそこに居続けているアイドルたちにはやはり少し難しい。これは自ジャンルにも言えることだったりします。
スマホアプリも、CGアニメも、3Dライブも。後から出てきたアイドルたちにとっては当たり前のそれが、自分たちにとっては当たり前なんかじゃないこと。全部が夢みたいで、奇跡みたいにみえること。時の流れが、技術の進歩が、いつかの嘘みたいな夢を叶えてくれること。でも何より、それはここまで彼らがアイドルを続けてこれたから叶えられた夢だということ。
そのためにどれだけの人が物語を紡いで、努力を重ねて、夢を繋いできたんだろう。
2年前の8月、自ジャンルの3Dライブを見ながらボロボロ涙を流していた私。それと同じように今回、いつか描いたバカげた夢が叶った人がいるのかと思うと胸が熱くてたまらなくて。無性に今の自分のだいすきな人にも、会いたくなりました。
もう一度、恋ができなくても夢を見よう
ライブが終わって一番に感じたのは、「うたプリが好きだったオタク、うたプリで繋がった友達、みんなにこのライブを見てほしいな」ということでした。
私自身うたプリというジャンルから離れて久しいし、やっぱり世界でいちばんだいすきで、私の世界の神様なのはツキノ芸能事務所の彼です。
けど、それでも。「うたの☆プリンスさまっ♪」というコンテンツ、あのアイドルたちを好きだった時間は嘘ではないし、紛れもなく青春の一ページでもあります。自分をとりまく環境や、感情、生活がどれだけ変わっても、彼らが変わらず今も笑って夢や愛を歌い続けてくれている。振り返ればいつでもそこに彼らの歌がある。それがどんなに心強いことか。
あの頃と同じように彼らに恋することができなくても、彼らは変わらず夢を見せてくれる。今もこうして夢を叶えてくれている。
その事実がここにあることを、あの頃プリンスさまたちに恋をしていた人にどうか知ってほしいと今この記事を書いています。
あまりにも目まぐるしくひっくり返る世の中だから、自分の"すき"を信じられなくなったりしていることもあるかもしれない。
でももし、少しでも心にひっかかるものがあるのなら、今の彼らに会いにいってほしいなと私は思います。あの頃想像もできなかった今が、きっとそこにあるから。
今では古ぼけてしまったかもしれないあなたとプリンスさまだけの物語が、今の自分に繋がっていることを愛しく思えたら。それは彼らが歌い続けてくれているように、自分をすきになるきっかけにもなるんじゃないかな、なんてことを考えながらこの記事の結びとさせていただきます。
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