たとえばなし

偶像と結果論

2018年梅原裕一郎さんが気になる人に聞いてもらいたい曲2選

遅ればせながら、梅原裕一郎さんお誕生日おめでとうございます。今年も更なるご活躍をお祈り申し上げております。

 

そんなわけで今回で3回目になりました、おすすめ楽曲勝手にプレゼンキャンペーン。推しさんのお誕生日を迎えるのは今年で4度目です。

今年も2017年3月8日から2018年3月8日までにリリースされた楽曲の中から、「梅原さんのことちょっと気になるなー」という方に是非とも聞いてもらいたい!と思う曲を独断と偏見でいくつかピックアップしてみました。

歴代のエントリーはこちら。

x1026.hatenablog.com

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この記事では楽曲構成みたいなものよりも、梅原さんの声色や音に焦点を当てています。いわゆる楽曲解説みたいなものはありません。語彙がしんでる系オタクなので直感的な感想が多いです。

そしてこれでもかというほど主観で物を言っているので、こっちはそうは思わねえよ決めつけんな!と感じる箇所もあるかもしれません。予めご了承下さい。それでは張り切って参りましょー!

 

黄砂に吹かれて / Shizuka Kudo Tribute 

黄砂に吹かれて

黄砂に吹かれて

  • provided courtesy of iTunes

最初はあまりピンと来ていなかったのですが、聞けば聞くほどハマり曲だなあと思うようになりました。いわゆるするめ

歌い出しから力強く、歌い上げるという表現がぴったりの一曲。リズミカルな歌い方のAメロ・サビと、メロディアスな歌い方のBメロという対比が個人的に好きです。工藤静香さんの歌われている原曲ではAメロとBメロのノリにあまり変化はないのですが、このカバーではオケのアレンジも縦ノリと横ノリがハッキリと分けられています。

私の中で梅原さんの声は夜空色のイメージが強いのですが、この曲ではところどころ鮮やかな朱い色を彷彿とさせられます。フレーズ頭や強拍の音の置き方は強く、フレーズの終わりは音を仕舞いながらビブラートをかけているような、音の処理が丁寧なところも好き。

そして一見ずっと一本調子で歌っているように聞こえるけれど、一番より二番、二番よりラスサビとどんどんテンションが上がっていて、最後のサビでは吐き捨てるような音もあったり。セオリー通りと言われてしまえばそれまでだけど、構成が練られた歌い方でワクワクします。

なんというか全体的に最近の若手声優らしくない歌い方ですよね。愚直というか、直情的な歌い方をする人だなあという印象。だからこそ、こういう歌謡曲がハマるのかも。

ぼくのいない朝 / SHADOW OF LAFFANDOR ラファンドール国物語 ある少女の光と影の追憶

ぼくのいない朝

ぼくのいない朝

  • アイソル・ナザド (CV:梅原裕一郎)、シェルシュ
  • アニメ
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

全世界にこの曲を聴いてほしい。

今年はもうこの一曲だけでも聞いてもらえたらそれでいいですっていうくらい、全力でお勧めしたい一曲がこれ。大袈裟でもなんでもなく、今までの集大成の曲だと思います。

歌い方はなんの変哲もない、ストレートな歌い方。ただただまっすぐに歌われている一曲です。それなのに、この上なくドラマチック。

どんなディレクションがあってこういう歌い方に落ち着いたのかは分からないけどこういうバラード調の曲で感情を込めて歌おうとした時に、もっと癖のある歌い方をする人もいるんじゃないかなあ。楽譜に記された発想記号*1を表現しようとしたときに、技巧頼りになることは少なくないと思う。

実際、最近の梅原さんはもう少し癖のある歌い方をしている気がしています。先述の ♪黄砂に吹かれて のように、もっと荘厳にビブラートをきかせて歌うことも出来たと思うんです。

けれどこの曲では、ロングトーンでも目立つようなビブラートはかかっていない。楽曲のキーも音域と合っていて耳馴染みがよく、ひたすらシンプルに歌い上げられていて。音の強弱と声色だけで、こんなにも色鮮やかに、情景豊かに歌うことが出来るんだ、とただ驚かされました。

本当に声の響き、言葉や音の置き方その全てにアイソルの感情が滲んでるんですよ。

一度だけ 一度だけ 僕のものに…

ー「ぼくのいない朝」/SHADOW OF LAFFANDOR ラファンドール国物語 ある少女の光と影の追憶 より

これはサビで繰り返し出てくる歌詞の一節。この曲の歌詞はアイソルのモノローグ、独白だと思っているのですが、「僕のものに…」という一文にだけは、私は『』が見えるんです。それは、アイソルの口からぽつりと溢れてしまった台詞なのかなあって。

そう思っているからそう聞こえるだけかもしれないけれど、歌い方にもそれが表れている気がします。曲頭の冒頭部では、前奏の前に一度テンションを置きに行っている印象。そしてサビでは「一度だけ 一度だけ」というフレーズを宙に投げてから、「僕のものに…」で仕切り直しているように聞こえます。

羨ましくて そこにいたくて
温めあうこと 微笑むってこと
伝えたくて 触れていたくて
その全部が あまりにも遠くて

ー「ぼくのいない朝」/SHADOW OF LAFFANDOR ラファンドール国物語 ある少女の光と影の追憶 より

そしてこの落ちサビは、例えるなら朝露の中で白い蕾が綻ぶみたいな歌い方。柔らかさ、眩しさ、優しさ、そういう"光の世界"を感じさせる音です。

音のアタックも比較的柔らかく、少し角張りがちなタ行の発音も丸みを帯びていて、「微笑むってこと」の「と」の響きが最高。

私はこの曲を願いの歌、けれど叶わないことを知っている願いの歌だと認識しています。痛々しいほどに切実な願いだけれど、自分では叶えられないこと知っている、そんな諦めを孕んだ願い。その感情の全てが、このフレーズに詰まっている気がします。

落ちサビってオケに合わせてボーカルもテンションを落ち着かさせたり、ボリュームを抑えるが多いと思っているのですが、ここではボーカルの音量はそこまで抑えられていないんですよね。強弱でいうならmf*2くらい。それなのに他のフレーズにはない、ともすれば今にも壊れてしまいそうな哀切を感じる一節です。

本当にどこを取っても語りだしたらキリがないのですが、梅原さんがちるらんで演じられている永倉新八のキャラクターソング ♪ただひとつ という楽曲も、この ♪ぼくのいない朝 と似たようなアプローチで歌われています。そしてよくよく見てみると作詞作曲が同じ方でした。納得。せっかくなのでそちらも貼っておきますね!(押し売り) 

ただひとつ

ただひとつ

  • provided courtesy of iTunes

少し話が逸れてしまいましたが、私が紆余曲折ありながらもファンを続けているのは、この ♪ぼくのいない朝 のお陰と言っても過言ではないかもしれない。それくらいの圧倒的な引力を持っていたし、歴代の梅原さんが歌われている曲の中で個人的ベスト3に入ります。もう、めっちゃ好き!!(語彙)

少しでも梅原さんが気になる、好きだという方にはぜひ一度聞いてみていただきたい一曲です。きっと、見方が変わる気がする。絶対にもっとすきになる。

やっぱり、最高に格好良い演者さんだと思います。

 

 

どうしても書きたかった曲のことを書いたら満足してしまったので、今回はこれで締めます!満足!一応弁明しておくと今年が不作だったというわけでもなく、ただただ一曲にぶん殴られてしまって他が少し弱く感じられてしまっただけです。

例年に比べロックテイストの曲も増えましたし、某アニメのEDも真面目に聞くとなかなか興味深い歌い方なのですが、それはまたの機会にでも。

春アニメも着々と本数を増やしていて本当にすごいなあ……と遠目に見ています。キャスコメ動画を見るために、きちんとアニ●イトまで行ったよ。
そんな中ようやっと秋アニメの消化が終わりそうなので、そのまとめもそのうち吐き出しにきたいです。冬アニメはちゃんと放送された週のうちに見ているので優秀。

なんだかんだ今年もゆるゆると推しさんを見てるんだろうな。とりあえずダリフラが最高だからみなさんぜひ見てください、よろしくお願いします!

*1:詳細な演奏法ではなく、比較的抽象的に作曲者の意図や演奏への心づもりが記されたもの。有名なものでは"cantabile(カンタービレ)=歌うように"など。

*2:楽譜で用いられる強弱記号。fより弱く、pよりも強い。やや強くを表す。